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<ペンリレー>

発行日2006/02/10
秋田緑ケ丘病院  鈴木康男
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南の島
 
 今年の冬は記録的な大雪であり、日々の通勤や雪かきに御苦労されている方々が多いかと思います。道路のデコボコで車が壊れるのではないか…という心配は一旦忘れまして、遠く南の島ついて書きたいと思います。
 2005年夏、ひっそりと南の島へと出かけてきました。秋田から飛行機を2度乗り継ぎ、なんだかんだで沖縄県宮古島に到着。機上から見ても地上から見ても、とにかく青い海です。言葉では表現できない青です。どうして海がこんな色をしているのでしょうか。海のない栃木県で生まれ育った私にとっては衝撃的な光景でした。
 宮古島の西側すぐ近く、高速フェリーで10分ほどの所に伊良部島、下地島という島があります。島と島は隣接しており、その間にはマングローブが群生しています。6本の橋で結ばれており、実際には一つの島のように感じます。伊良部島は人口が約7500人、車で30分もあれば一周出来てしまう小さな島で、島中にサトウキビ畑が広がっています。「ざわわ、ざわわ…」と、題名は分からないけどよく聞く沖縄の歌が常に頭の中を流れていました。平凡な風景かもしれませんが、それが何よりの贅沢でした。ちなみに、こんな小さな伊良部島にも郵便局が二つありまして、南の島初貯金をしてきました。民営化されると、この小さな郵便局はどうなるのでしょうか。
 下地島は伊良部島よりさらに小さく、日本で唯一の民間航空機パイロットの訓練飛行場があります。ここでは青い空と海をバックに、多い時には3から4機の旅客機が周回経路を回り、タッチ&ゴー(着陸して、停止せずに再び加速して離陸する)を早朝から日没までひたすら繰り返しています。エメラルドグリーンの海の色で飛行機のお腹が青く(緑に?)染まる姿を滑走路末端で間近に見ることができます。美しい海と迫力ある飛行機との組み合わせは航空マニアでなくても生唾モノです。また下地島には通り池というダイビングスポットがあり、ダイバーたちの憧れの場所と言われているそうですが、人がいる気配は全くありませんでした。いつまでも人が群がらない場所であって欲しいと思います。
 この原稿を書いているときに、宮古島では余りの暖かさに蝉が夏だと勘違いして初鳴きした、という新聞記事を見ました。またあの風景に出会えるのを楽しみにして日々の診療に励んでまいります。
 
 ペンリレー <南の島> から