トップ会長挨拶医師会事業計画活動内容医師会報地域包括ケア介護保険について月間行事予定医療を考える集い学校保健関連

<ペンリレー>

発行日2004/04/10
玉田眼科  玉田浩郁
リストに戻る
スコッチウイスキーへの憧れ
 
 この春で開業7年を迎えます。最初の5年間は仕事のことだけを考えがむしゃらに働いてきましたが40歳を過ぎて急激に体力の衰えを感じるようになり仕事の疲れが翌日に残るようになりました。運動不足というのは自分でも十分承知しているのですが運動神経ゼロを自覚している私は色々な人から誘われるゴルフも断り、家内や子供に犬を飼って散歩させれば、ととっつかれても適当な返事をしてごまかしています。
 このようにスポーツを一切やらない私の気分転換は、休日のドライブと夜ひとり自室(院長室)で飲むお酒です。中でもシングルモルトウイスキーが大好きで、居間に置いてある家内と飲む安酒とは別に大事に院長室にしまってあります。シングルモルトとの最初の出会いは能代にあった「ビストロコミック」と言うお店です。開業前に勤務していた病院で同じ医局だった産婦人科の先生に教えていただいたお店です。いつもは2、3軒飲んだ後で最後に立ち寄ってカレーやハヤシライス,チャンポンなどを食べて家路についていました。バーでもなくレストランでもない不思議なお店でしたがマスターと奥さんがとても優しい方で、休日には家族で食事に出かけたりもしました。もちろんお酒も各種揃っておりオリジナルカクテルも沢山ありました。ある時、ボトルが空になり、マスターに「ジョニ黒おねがいします。」と言ったところ「もっとおいしい酒があるよ。」と出してくれたのがマッカラン18年でした。それまでウイスキーと言えばジョニ黒、シーバス、オールドパーくらいしか知らなかった私にはシェリーの香りとまろやかさが衝撃的でした。その後、このお酒がオロロソシェリーを貯蔵した樽を使って熟成されており、シングルモルトのロールスロイスと呼ばれていることを知りました。ただマッカランは当時、今よりずっと高価で家で気軽に飲めるお酒ではありませんでした。時々、お店に立ち寄っては2~3杯飲むのを楽しみにしていました。「コミック」は居心地のよい素敵なお店でしたがマスターが亡くなり残念ながら閉店してしまいました。閉店後、奥さんが病院の外来に訪ねて来られ、私がキープしていたボトルを届けてくださいました。「山本組合病院、玉田先生」と書かれた1976年蒸留のマッカラン18年は今も院長室の本棚にしまってあります。中身は3分の1位しか残っていませんが私にとっては特別な1本です。マッカランは7年ものから各種売られていますが最も手頃なのは12年ものでしょう。スモーキーで濃厚なシェリーの香りは一度味わえば、きっと虜になると思います。開業後、自分へのご褒美に木箱に入った25年ものを買いましたが今のところ眺めているだけです。その後、並行輸入品が半額ほどで売られているのを見て愕然としましたが…。
 秋田に来てからは、大町のショットバーに時々出かけマスターのウンチクに耳を傾けながらウイスキーの飲み比べをして楽しんでいます。そして、いつかはスペイサイドのザ・マッカラン蒸留所を訪ねたいと思っています。
 次回のペンリレーは私が入局したときのオーベンであり、モルトの会の会員でもある渡辺裕之先生にお願いします。
 
 ペンリレー <スコッチウイスキーへの憧れ> から