トップ会長挨拶医師会事業計画活動内容医師会報地域包括ケア介護保険について月間行事予定医療を考える集い学校保健関連

<ペンリレー>

発行日2004/02/10
秋田県太平療育園  石原芳人
リストに戻る
野菜作り
 
 もう10年以上前のことになりますが、自分のゴルフの才能のなさをいやというほど知らされて、自分勝手に「ゴルフはもう止めた」と宣言してしまいました。プレイの最中であったため、一緒に廻ってくれていた先生方には大変なご迷惑と不快な思いをさせてしまいました。この場を借りて、改めて深くお詫び申し上げます。
 潔くゴルフを止めたのですが、元々趣味も特技も無く、特徴もなく目立たないのが個性とまで言われている私なので、休日に何もやることが無くなりました。休日にやることがないとは、いいご身分だ、うらやましいと言われる方が多いと思いますが、本人にとっては結構ストレスなものです。どうしようかと思い悩んでいるとき、道路を挟んで家の前の畑で(昨年とうとうアパートが建ってしまいました)、老夫婦が野菜作りをしているのに気づきました。それがきっかけで、自分も野菜作りをしようと思うようになりました。
 早速趣味の野菜作りの本を2冊買ってきて、熟読しました。仕事上では決して文献派では無いのですが、この時ばかりは文献から入り、連作のできない野菜、肥料の種類と使い方(葉肥えのN、実肥えのP、根肥えのK)、土のPH…などなどいろいろな知識を得ることができました。最初は苗を買って定植し、育てていましたが、次第に種より育て上げるようになりました。そのため毎年3月の末からは、種をまいたポットを入れたプランターで家の居間はいっぱいになります。発芽には水分と一定の温度が必要なので我が家で一番暖かい居間が温室をかねることになります。また畑に直播するよりは、良い苗を選ぶことができ、狭い畑に植える間隔を密にして効率よく定植することができます。
 家の空き地はほとんど畑にしたのですが、当然足りないので、毎年秋田市で貸し出す家庭菜園に応募しています。これが結構借りることができるものなのです。この家庭菜園も含め、毎年30種類ほどの野菜を作っています。通常二毛作で狭い土地の有効利用に勤めています。そのため連作障害や土地のPHは常に考えなくてはなりません。また無農薬で育てていますので、常に虫との戦いには気を抜けません。今は農業のこつも少しはわかったのか、失敗が少なくなり、そのため少し作りすぎるようになっているようです。冬でもねぎ、大根、白菜はスーパーで買わなくて済むようになっています。
 現在は休日のかなりの時間を畑仕事に費やしています。畑仕事のないのは1,2月のみです。野菜は手をかければそれだけ良い物が収穫できます。手を抜くとその分で終わります。ただ手を抜いても、失敗しても文句一つ言いません。これが精神的に良かったのでしょう。私自身こんなに野菜つくりが続くとは思っておりませんでした。この安心感が趣味を長く続けられる理由ではないかと思っています。
 結構うまく野菜つくりができるよう自信がつき、収穫も安定しています。妻はよく言います。「手間暇を考えると買ったほうが安い」と。そんなことは分かっている。ただ無農薬、新鮮、わが手で作ったのが価値がある。「自分で作った野菜で、料理までしてくれたらもっといい」と。オット、料理までは全く考えておりません。

 
 ペンリレー <野菜作り> から