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医療を考える集い
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第36回医療を考えるつどい
「これからめざす 介護の姿」
第36回医療を考える集いポスター
平成26年3月15日(土) 午後1時30分~午後4時40分
秋田ビューホテル・4階
入場無料
 「腰が痛い、手がうまく動かない、ごはんを自分で食べられない、覚えられない、いつもひとり、だからいろいろ大変。」
 「昔はいろいろ出来たのに、出来ないことがどんどん増えてくる。だから誰かに助けてもらえばいいでしょう?」
 でも、それだけでいいのでしょうか。
 ほかの人からの助けが必要だからこそ、より自分らしく生活をしたい。できなくても何かできる自分を感じたい。これまで一生懸命子育てに、仕事に、家庭を支える大黒柱として頑張ってきたのだからこそ、そのがんばったぞっていう勲章(プライド)を胸につけてちょっと誇らしくしていたい。そんな気持ちありますよね。

 今回の医療を考えるつどいでは、「介護で助けてもらう」という受容の視点だけでなく、自立した高齢期を過ごすという側面に視点を移すことで、これからめざすべき介護の姿や新たな介護の可能性を模索しようとテーマを選びました。
 まず秋田市と海外の介護の現状やそのとらえ方についてご紹介します。そして池田清彦様も交えてこれからめざす介護の姿について市民のみなさまと一緒に考えたいと思います。

 さて、みなさんはこれからの時間をどこで、誰と、そしてどのように過ごしたいと思いますか。これは年を重ねながら生きるすべての人々に関わるテーマです。家族に囲まれて過ごしたいと思う人もいれば、喧噪から離れてひとりの時間を自由に使いたいという人もいるでしょう。
 老いを感じながらも、どうしたら自分らしい行き方ができるのでしょうか。そしてそれを可能にする知恵がどこにあるのでしょう。

 手助けが必要なときでも、自立を感じて生活していく知恵、元気が湧いてくる知恵を、さあ一緒に探してみませんか。

 多くのみなさまのご来場を、お待ちしております。
プログラム
総合司会   秋田市医師会広報委員会委員長  加賀谷   学
あいさつ    秋田市医師会長  福 島 幸 隆
祝   辞   秋田市長       穂 積    志 様
         秋田県医師会長   小山田   雍 様

-基調講演-
「残された人生をいきいきと暮らそう」 生物学者・評論家・早稲田大学国際教養学部 教授 池 田 清 彦 氏  


-パネルディスカッション-    司会  秋田市医師会広報委員会 担当理事 田 中 秀 則  


コメンテーター 生物学者・評論家・早稲田大学国際教養学部 教授 池 田 清 彦 氏


パネリスト
● 秋田市医師会広報委員会委員
                               勝 田 光 明 氏

● 秋田市医師会広報委員会委員
                               市 原 利 晃 氏

● 秋田県 健康福祉部福祉政策課 課長
                               金 子 治 生 氏



総合討論・質疑応答


「第36回医療を考えるつどい」を終えて 秋田市医師会広報委員会 担当理事 田 中 秀 則


アンケート結果


総合司会 (秋田市医師会広報委員会委員長・加賀谷 学)
 本日はお集まりいただきまして誠にありがとうございます。司会を務めさせていただきます秋田市医師会広報委員の加賀谷と申します。よろしくお願いいたします。
 秋田市医師会では市民の皆さまと健康について考える機会を作ろうと、継続して医療を考える会を開催してきました。振り返りますと、医療を考えるつどいは、昭和53年に産声を上げてから今年で36回目になります。毎回、毎回、会場の皆さまの心に少しでも響くものが届けられないか、我々も皆さまから意見を頂戴し少しでも成長していこうと考えて企画しております。では、これから第36回医療を考えるつどいを始めたいと思います。
 今回のテーマは「これからめざす介護の姿・超高齢先進県秋田からの挑戦」、サブタイトルとして「あなたは、どのような介護を選択しますか?」です。現在の秋田市、秋田県、ひいては日本において、待ったなしのテーマ、避けられないテーマだと考えて企画いたしました。これよりプログラムに添って進行させていただきますが、会場へ入場の際に受付でいくつか資料をお受け取りになっていると思います。それについてご案内いたします。ご質問・ご意見がございましたら質問用紙にご自由にお書きください。回収箱は会場後方に設けており、随時回収いたします。パネルディスカッションの進行途中で参考とさせていただきます。また、基調講演をいただく前と、パネルディスカッションの経過中に2つほど、会場の皆さまに選択質問を準備いたしました。ご協力をよろしくお願いいたします。回答方法として、「青い用紙」・「赤い用紙(プログラム)」を使わせていただきます。
 まず最初に秋田市医師会長 福島 幸隆より挨拶をお願いいたします。
福島幸隆 秋田市医師会長
 皆さんこんにちは。秋田市医師会の福島と申します。本日は年1回秋田市医師会主催、県医師会共催で市民の皆様向けの講演会であります「医療を考えるつどい」にご参加いただきまして、誠にありがとうございました。秋田市は昨年・一昨年と大雪で市民生活に大きな支障が生じましたが、今年度は2月に入ってからあまり大雪とはならず、秋田市以外の地域、特に横手・湯沢方面に比べてあまり除雪する機会も少なく、大分楽だったと思います。しかし、3月4日にはほとんど雪がなくなったと思っていましたら、またその後、真冬の寒さに逆戻りしてしまいました。お天道様もやっと昨日になって顔を出してくれましたが、秋田の空から太陽がいなくなってしまったのではないかと不安を感じる日が続きました。早く暖かい春が来るのを待ち焦がれる今日この頃です。
 さて、「医療を考えるつどい」も今回で36回を迎えることになりました。36回もやっていますと、テーマも出尽くした感はありますが、時代の流れと共に社会情勢や制度も変化していきますので、今日まで続いているわけです。介護に関するテーマは古くは昭和61年12月に開催された「老人と家庭―もし、あなたの家庭に「ねたきり老人」がいたら」というものがありました。最近では、平成22年2月に「介護サービスを考える―上手に利用して明るい未来―」というテーマで開催しております。このように、介護はやはり市民の皆様にとって身近で関心の高い問題であることが分かります。単純に介護と言いましても、介護を受けるような状態になるということは何らかの病気があるということで、そのため医療は必要ですし、さらに福祉も必要なので、その意味では医療・介護・福祉は一蓮托生で切り離して論じることはできないと考えます。また、介護に関しては2000年に介護保険制度が導入されてから、大きく変化して、それまでのお嫁さんがおじいさん、おばあさんを介護しなければならない状況から解放されつつありますが、一方で夫婦二人での老々介護が多くなってきました。また、施設利用についても特養や老健施設の待機者は依然として多く、そのためショートステイや有料老人ホームは急増しています。秋田県は高齢化率が日本一ですから、要介護者や認知症患者さんが増加しているのは皆様も身近で感じていることと思いますが、そうしますと家庭内で介護するというのはますます難しくなってきています。そこで、国は高齢者に必要な医療・介護・生活支援サービスを一体的に支援する目的で「地域包括ケアシステム」を整備しようと考えていますが、要介護者の医療状況や経済状況、家族構成さらに家族の介護への考え方が様々で、なかなかマニュアル化しづらい状況です。本日は生物学者の池田先生から、今述べた様な現実的視点ばかりでない別な視点から介護の話を伺うこととしています。池田先生のような著名人をお呼びするのは当医師会初めての試みですので、私自身も少し現実を忘れた夢のあるお話を楽しみにしております。それでは、介護に悩んでいる、あるいは関心のある市民の皆様にとって、このつどいから何らかのヒントが一つでも得られますよう祈念し、挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
穂積 志 秋田市長 (鎌田副市長代読) 
 秋田市副市長の鎌田でございます。
 本来であれば、穂積市長が出席し、皆様にあいさつを申し上げるところでありますが、あいにく他の公務のため出席がかないませんので、市長から預かってまいりました祝辞を代読いたします。
 本日、多くの皆様のご参会のもと、「第36回医療を考えるつどい」がこのように盛大に開催されますことを、心からお喜び申し上げます。
 また、秋田市医師会の皆様をはじめ本日お集まりの皆様におかれましては、日頃から本市市政の推進に多大なるご支援とご協力をたまわり、厚くお礼申し上げます。
 さて、我が国では、4人に1人が高齢者という、世界のどの国も経験したことのない高齢社会を迎えております。昨年総務省が発表した人口推計によると、本県の高齢化率は、30.7%と全国で最も高く、本市も4人に1人が65歳という状況でありました。そして、11年後の平成37年には、本市においても3人に1人が65歳以上となることが予想されております。
 そのため本市では、高齢になっても地域社会で活動・活躍することができ、いきいきと過ごすことができる社会を目指し、エイジフレンドリーシティ、いわゆる高齢者にやさしい都市の実現を成長戦略の一つに掲げ、各種施策の推進に努めているところであります。
 このような中、市民の皆様を対象に「これからめざす介護の姿」をテーマとする本日の講演会が開催されますことは大変意義深く、開催にご尽力された秋田市医師会の皆様に深く感謝申し上げますとともに、このあとの基調講演やシンポジウムが今後の本市高齢者福祉施策に大きな示唆を与えていただけるものと期待しております。
 さて、国政の動きに目を転じますと、現在、平成27年度からの介護保険制度改正に向けた作業が進められております。
 今回の改正では、「地域包括ケアシステムの構築」と「維持可能な介護保険制度の構築」の2点が見直しの大きな柱とされ、在宅医療・介護の連携や認知症対策などの充実のほか、訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行、さらには、低所得者の保険料軽減を拡大する一方、一定以上の所得者における自己負担の引き上げといった改正内容が検討されております。
 本市としては、サービスの利用者や事業者、保険者である市町村への具体的な影響など、今後の国の動向を注視しつつ、円滑な事業実施に万全を尽くしてまいりますが、この度は大幅な改正が想定されることから、市民の皆様はもとより、医師会や事業者の皆様におかれましても、引き続きご理解とご協力をたまわりますようお願い申し上げます。
 結びに、今日のつどいが実り多いものとなりますよう、また、秋田市医師会のますますのご発展と本日お集まりの皆様のご健勝を祈念し、祝辞といたします。
小山田 雍 秋田県医師会長
 秋田県医師会の小山田でございます。秋田県はまさに超高齢社会の先頭を歩んでおります。子供が少なく高齢者が多い世帯、このようなことばかりを話していると非常に耳障りです。秋田県はがん、脳卒中ともに日本一になりました。高齢になれば病気が多くなるのも当たり前です。そんな耳障りなことばかり言っていますと、これからの残りの人生をどういう生き方をし、どう終わりたいのか、そういうことが何か暗いマイナスのイメージになっていきますが、今日のテーマにありますように、どういう生き方をしたらいいのかという、前向きな考えが非常に大事になってくると思います。私は古希ですが、同級生の中に弓道をやっている友人がいて、大変元気です。そして素晴らしい成績を修めています。勉強ばかりに頭を使い、外の情報を自分の中に全て吸収しようとするよりも、自分の内側から外向きにものを出していかなければいけないと聞きます。弓道は、礼儀を正し、形を重んじ、一点に集中し、的を射貫く、まさにそのとおりです。また別の友人の話ですが、残念ながら脳卒中になった友人がおり、励まして後遺症から立ち直らせよう、元気になって毎日を過ごそうと、麻雀を取り入れたグループがありました。パイを見ないで指先の感覚だけで麻雀をした結果、身体は使わないものの、指先の神経と頭を使ったため、数年経ってからですが非常に回復してきたそうです。
 マイナスなことを悲観せず、少子超高齢化の秋田での生活が、明日から明るく輝くよう、皆様の健康を心から祈念し挨拶といたします。
総合司会 どうもありがとうございました。基調講演の前に会場の皆さまにご協力をお願いいたします。
 今回選んだテーマを更に深めるために、質問を2つ準備いたしました。
 後に行われるパネルディスカッションの際も同様の質問をいたします。

 1問目 「寝たきりになった場合、誰に面倒をみてもらいたいですか?」
      『家 族』の方は(赤色) 『施 設』の方は(青色)を上げてください。
 2問目 「あなたの人生をとじる時は、自宅がよいですか、
                    それとも病院等がよいですか」
      『自 宅』の方は(赤色) 『病院等』の方は(青色)を上げてください。
 ご協力ありがとうございました。
 それでは基調講演に移ります。基調講演の座長は秋田市医師会長の福島幸隆です。よろしくお願いいたします。
座長(福島会長) 恒例によりまして、池田清彦先生をご紹介させていただきます。先生は、1947年(昭和22年)7月14日、東京都に生まれております。1971年3月東京教育大学理学部を卒業されました。1979年4月から山梨大学教育学部講師に就任し、1990年5月に同大学教授になられ、2004年4月から早稲田大学国際教養学部教授となられて、現在に至っております。著書は「構造主義動物学とは何か」、「分類という思想」という難しいものから「メスの流儀 オスの流儀」、「寿命はどこまで延ばせるか?」等、50冊位の著書があります。皆さんご存じのように、現在フジテレビ系で放送されてます「ホンマでっか!?TV」にレギュラー出演中です。それでは、池田清彦先生、よろしくお願いいたします。 
- 基 調 講 演 -
「残された人生をいきいきと暮らそう」
池田 清彦(生物学者・評論家・早稲田大学国際教養学部教授)
 こんにちは池田です。昨年9月に厚労省が100才以上の高齢者が何人いるか統計を取った結果、約54,000名で男性が約6,700名で、女性が遙かに男性より長生きだという結果がでました。日本人は世界で長寿1位という記録をもっています。今と昔で100才を超える年齢の方は増えましたが、最長寿の人の年齢はあまり変わりなく、115才くらいです。なぜ、男性より女性が長生きするのか、最近やっとわかりました。たぶん男性ホルモンの影響です。男性ホルモンは、身体は元気になるが活性酸素が出過ぎます。また、ほ乳類は早く死ぬように出来ていて、50歳を過ぎたころになると老化するように出来ています。自然界では50歳を過ぎて生きていることはラッキーなことで、儲けものと思った方がいいです。平均寿命が延びても介護の年齢が延びるだけでは社会にとっては大変なことなので、なるべく最後まで元気でいて欲しいのです。なるべく死ぬ直前まで自分のことは自分でできて、元気で生きたいものです。そのためには身体の問題、心の問題があります。両親や祖母が長生きの家計は遺伝子的に長生きする確率は高いです。また100才を超えている方々は、比較的元気で呆けてはいない方が多いようです。呆けないこと、そのためには歩くことです。活性酸素がでるため走ることは勧めません。あまり頑張らない方がいいですし、適当に頑張ることです。また、長生き遺伝子が見つかり、カロリー制限をすることで長生きすることがわかりました。昔から腹八分目といわれていますがこれが正解です。程々に適当に過ごす、これが一番です。また自分の身体に聞く、これは大切なことです。ただ、年を取って身体のことをあまり心配しないほうがいいようです。昔みたいな完璧な身体になろうと思わないことです。あなたの一生は病気を治すためにあるのかどうかです。病気があっても、忘れて楽しいことをやった方がいいのではないかと考えます。私自身は医者はいらないと思っています。ただ、懐かしい痛み、感覚は大丈夫なんですが、今までに感じた事のない症状が出た場合は医者にかかった方が良いです。
 もう一つは「心」です。身体と心は一体です。一番大事なのは自分が毎日楽しく生きることです。心の健康が大切です。人間には、自分が何か社会のために役に立っているという思い、承認願望があり、誰かに承認されたい、「あの人がいなければ困る」と言われると、嬉しいものです。人間は相手してもらうと嬉しいし、「感謝される」ことはまさにボランティアです。ボランティアをすることによって、相手に「嬉しい」といってもらったことが「嬉しい」のです。ボランティアは本当は無償の行為ではなく、自分の心にとって「嬉しい」ことなんです。ボランティアをすると元気になるというのは、まさにそういうことなんです。また、本当は年を取ってもなにかしら働いている方、稼いでいる方は元気です。皆さんもなにか稼いだ方がいいです。趣味も良いですが、定年後に行う趣味はあまりメジャーでない方がいいです。メジャーでない趣味はすぐに第一人者になれます。第一人者になるということは自分に注目してもらえることです。注目してもらえる事は、嬉しいことです。未来に希望があるのは若者で、「希望を持て」と皆さんに言いますが、年寄りに希望を持てというのではなく、年を取ったら「今日一日の楽しみ」、「明日を追うな」、今日を一番楽しむことです。「今日は本当に楽しかった」と思うことが、心には本当にいいことです。人間はどうしても未来のことしか考えないのですが、「今日一日、明日」を考えることが大切です。長生きするためには、先程の話とは矛盾しますが「わがままであれ」、それが大事です。他人が何か自分に頼んでくれることが人生を楽しくしてくれます。
 最後になりますが、なるべく身体を動かしながら、自分にあった物を食べて、心を平にして、自分の一番好きなことをし、趣味はなるべくマイナーをやっていれば、長生きできるのではないかと思います。ただし、私のまねはあまりしない方がいいとは思います。本日は大変ありがとうございました。

座長 池田先生、ありがとうございました。会場で質問等がございましたらお願いいたします。ないようですので、それでは私からの質問ですが、身体の不調は自分の身体に聞けばいいということですが、ヘビースモーカーだった先生がたばこを止めたきっかけは、何だったのですか。
池田氏 たばこを吸うと咳が止まらない症状があり、自分にはたばこが合わないと思いました。たばこを止めるためには、コツがあるんです。それは宴会に出ないことです。宴会に出ると酒を飲んでいる友人が、たばこをやめたことを知っているから、勧めるんです。3ヶ月くらい宴会や飲み会に参加しないことが、大切です。 
座長 先生は大分飲酒をされるとのことですが、二日酔いにはならないのですか。 
池田氏 基本的に、二日酔いはしません。基本的にそんなに飲まないですから、せいぜい飲んで5合位です。
座長 恐れ入りました。まさに、医者いらずです。池田先生には後程パネルディスカッションにも参加していただきますので、何かありましたら、その際質問をお願いいたします。 
- パネルディスカッション -
司会(秋田市医師会広報委員会担当理事・田中秀則)
 秋田市医師会の田中です。先程の池田先生の話にあまりにもインパクトがあり、会場にまだ余韻が残っている状態ですが、後半のパネルディスカッションを行いたいと思います。今回のパネルディスカッションは秋田をどうしたらよいかということで、いつもとは切り口を変え、アジア、イギリス、秋田の介護の状況の報告を受け、その後、皆さんとディスカッションをしていきたいと思っています。それでは報告をお願いいたします。 
アジアの介護の現状
 ヨーロッパでは約50年以上かけて高齢化社会から高齢社会に突入しました。ちなみにフランスは115年かかりました。(高齢化社会とは65歳以上7-14%、高齢社会とは65歳以上14-21%、超高齢社会とは65歳21%以上)
 アジアにおいて高齢化社会から高齢社会に要した期間は日本が24年、シンガポールは16年、韓国は17年、中国は25年かかります。アジア全体では、中国の人口の大きさによるものなのか25年で高齢社会になります。加速度的に進むアジアの高齢社会は、政府の思惑だけでなく、高齢者自身やそれを取り巻く環境、家族の考えが非常に重要になっていきます。
 中国、香港、台湾の介護に対する考え方は、夫の介護は妻が行い、妻の介護は夫が行います。親の介護は子供が行い、自分のことは自分で行います。自分のことができないときはそれが寿命と考えているようです。ベトナムの介護の考え方は、高齢者は家族全体で介護します。そして長老は家の一番良いところに陣取っているようです。しかし日本では誰かが何とかしてくれると思い込んでいます。
 私が診察中に、ある1人暮らしの老人に「将来自分のことができなくなったらどうしますか」と質問しました。「子供には迷惑をかけたくない、施設でもさがすよ」と返答がありました。子供が近くにいる環境でも、多くの高齢者の返事はほとんど同じ回答でした。一見して、日本の社会の家族へのつながりの希薄さが露呈している印象にかられました。
 日本(秋田)の介護技術、施設のレベルの高さはアジアで注目されています。アジア各国よりもいち早く、超高齢社会となった日本において、介護保険導入などを含めた政府の政策、民間が主体になって行われる施設での介護技術の状況は、不満はありますが、失敗はしていないように思われます。台湾などは日本の制度を含めた介護技術を取り入れようとしていることも事実です。
 数年にわたる中国での介護の実際やリハビリに対する考え方、またベトナムにおける介護事情、台湾政府との非公開の対談について写真をまじえて紹介します。
 今後、アジアの高齢者を支えるものは、国民全員が介護士の心と高齢者を支える有資格者の技能や知識の発展です。これはヨーロッパに比べて急速に高齢化が進むアジアの現状において、急務の課題です。秋田県の技術や考えが世界に発信できることを期待しています。

[中国語サマリー]
               我们的介护目标 “从秋田开始挑战,老龄化先进省”
                    ~你会选择怎样的介护方式呢?~
                                   秋田市医师会广报委员 勝田 光明

目前亚洲的介护现况
 从亚洲的老龄化社会到老龄社会所需要的时间,日本为24年、新加坡为16年、韩国为17年、而中国需要是25年。在亚洲极快的进入老龄社会的问题上,不光光是政府的难题,也是老年人必须面临的严峻问题,同时也是家人必须考虑的问题之一。
 在中国、香港、台湾对介护的方式上,丈夫的介护是妻子来照顾,当然妻子的介护也是由丈夫来照顾。 父母的介护是由小辈(孩子)来照顾,以自己的事情尽量自己做的原则,做不了了那也就是寿命到了尽头了的说法。在越南的介护方式是这样的, 老年人由家庭成员来照顾,对于老年人来说家是他们唯一的最好的安逸之处。但是在日本的话大家都会有一种幻觉,真的到了那天是不会有见死不救的。
 大家所期待的、所渴望的是日本(秋田)的介护技术以及在福利院能得到优秀的服务质量。这在亚洲也是非常引人注目的和关心的, 在亚洲各国也都想尽快的吸取已经超老年人社会的日本介护保险和引进有关的政府政策制度上,当然在一些私人开的福利院的问题上也有引起不满的地方,但那只是不满,不是失败。在事实上,像台湾就已经想方设法的引进和研究在日本的有关介护制度以及服务技术了。
今后、可以在亚洲能真正照顾好老年人的话,需要的是有一颗介护的心和有资格照顾老年人并有一定技能和知识的前提下而发展。 和欧洲相比的话,急速的老龄化的逐渐增加也是目前的现状,一个很严峻的课题。 我们期待着能通过秋田县的介护技术和想法能传到世界的每一个角落。
イギリスの介護の現状
 イギリスの医療は国民医療サービス(NHS: national health service)により国の税金で運営されています。国民はほぼ全員が家庭医(GP: general practitioner)に登録しており、新生児から高齢者までの健康問題すべてを相談しています。病院はGPの紹介がなければ受診できません。
 イギリスの福祉施設は日本の特養に当たるナーシングホームのほか、介護士がいる老人ホーム、グループホーム、管理人のみのシェルタードハウジング、シェアードハウスなど様々な形態がありますが、日本のように厳密な分類は無く、医療はほぼGPが受け持っています。介護は「できないことをできるように支援する」という考えで、日本的な「できないことをやってあげる」とは違いがあります。また、「自力で食事をとれなくなったら寿命」という考え方が一般的なようでした。
 個人の自立した生活を基本にした在宅ケアには、日本と英国の価値観の違いが反映されていると思いました。成熟した社会での価値観は多様化するため、それを支えるには在宅ケアが効率的だとも考えられます。

[英語サマリー]
The Current Situation of the Home Care Services in the United Kingdom
                                                   Toshiaki Ichihara
[Summary]
The medical welfare of the U.K. is managed by the National Health Service (NHS) using national taxes. Almost all citizens are registered with a general practitioner (GP) to consult about any health-related issues arising among all ages from newborns to seniors. Citizens are not allowed to receive medical care from a hospital unless they have been referred by GPs. Welfare facilities in the U.K. are also operated in various forms, such as nursing homes (equivalent to special nursing homes in Japan), retirement homes and group homes (with caregivers on site), and sheltered housing and shared houses (with only a warden on site). However, there is no strict classification governing the country’s welfare facilities as seen in Japan, and medical care is provided almost entirely by GPs. In the U.K., the concept of home care is to “assist the person in doing the things he or she can’t do,” whereas in Japan, it is “to do the things for the person that he or she can’t do.” Moreover, there is a common perception in the U.K. that “Once a person is no longer able to eat without assistance, the person is nearing the end of life.”
秋田県の介護の現状と問題点
 国の推計によれば、秋田県の人口は今後も減少を続けます。また、次代を支える子どもの出生数も大きく減少しているなか、団塊の世代が75歳以上となる平成37年には、人口90万人を割り込み、高齢化率(65歳以上人口割合)は40%に迫ります。高齢化率はその後もしばらく上昇が続き、一人暮らしや高齢者だけで構成される世帯が増え、認知症高齢者数も増え、様々な面で介護にかかる負担も増すことが想像できます。
 こうした厳しい状況にあって、「高齢になっても、住み慣れた地域で、自分らしく、暮らし続けたい。」という基本的な思いを実現するにはどうしたらよいのか。
 他に例のない速さで高齢化が進んでいる秋田にとって、まねのできる「手本」はどこにもありません。今、みんなで考え、知恵を出し、参加し、実践し、連携して、世界の「手本」=「秋田モデル」を生み出していくことが求められています。

〔英語サマリー〕
The current situation and the problem of nursing care to the elderly people in Akita
                                                     Haruo Kaneko
[Summary]
According to the Japan report, the population of the Akita prefecture will continue to be decreasing. When the group of the post-baby boom generation become over 75years in 2025, the population of the Akita prefecture will be under 900,000. The aging rate (the ratio of over 65 years) will be up to 40%, while the rate of supporting generation will be down dramatically. We can imagine easily that the costs of nursing care will higher in future, because the number of single old persons and the dementia elderly people will increase. How can we realize the society that older people is able to do the life by himself in favorite area under this severe condition? There is no God model that can resolve the problem in Akita where is super population ageing area. It is needed that we Akita people should make the Akita model (world standard model) that might be produced by the idea, wisdom, joining, practice and cooperation.
総合討論・質疑応答
司会 早速パネルディスカッションを始めたいと思います。今日お話ししていただいたアジアの状況、イギリスの話も非常に参考になりました。秋田での高齢化の話等沢山ありましたが、最初に池田先生からの感想を聞かせていただければと思います。

池田氏 秋田はしばらくは超高齢化社会なんですが、20年も経つと変わってくると思います。10年、20年で物事を考えなくてはならないし、人口が安定してきてからのことも考えなければいけません。また若い人たちは自分たちの30年後について考えなければなりません。国は未来永劫国民の面倒をみていかなければならないので、行政の方々は大変だと考えます

司会 中国と英国を視察してきて、秋田に取り入れていいものとしては、どんなところがありますか。

勝田氏 中国のように複数の人が集まって身体を動かせる場所が必要だと思います。一人で身体を動かしなさいと言われてもなかなか出来ないと思いますので、誰かがリーダーになっていただき、集まるということを積極的に行うことができればと思います。冬は不可能ですので、その辺の場所の問題があるのかなと思いました。

司会 秋田にも太極拳をやるような集まって何かを出来る場所はありますか。

金子氏 五城目町では各集落に町内会館的なものがあり、かなり老朽化はしていますが、みんなで集まって、手すりを付けたり、介護関係・健康関係の器具を入れて気軽に集まれる場所として活用しようとしています。五城目町は高齢化率が高く県内3位くらいですが、このようなことをやることにより、皆さんのつながりが出来て、いい効果が生まれているのではないかと思います。

司会 市原先生の発表を聞いてみて、イギリスは消費税も違いますが、介護については、セレブだなと、進んでいるなと感じましたが、今の秋田に取り入れるものはあるでしょうか。

市原氏 ヨーロッパでは自立して生活していくということを意識しています。介護も自分で出来るようにする、というところが、もしかすると秋田、日本で取り入れるべき部分だと感じました。

司会 先程、池田先生のお話で人間は50歳・60歳になって生きていたら儲けものという話がありましたが、やはりそうでしょうか。

池田氏 そう思っていた方がいいですね。

司会 やはりお金を稼ぐことというのはいいことですか。

池田氏 金を稼ぐのは何がいいかというと、税金を払うでしょう。税金をもらって生きているのと税金を払って生きているのでは全然違うと思います。金を稼いでいる人は、社会に貢献をしています。ちょっとでも稼いで、税金をつかわなければその分、大変な人にも回るわけですから。

金子氏 秋田での高齢者の取り組みでは、山菜採りがあります。山菜などの資源についてはお年寄りの方はとても良く知っていて、自分たちで消費するだけではなく、販売することを考えて実際に動いているセクションがあります。他県では葉っぱビジネスで大もうけした集落がありましたが、それと類似したようなことを考えてやろうとしています。

司会 話は変わりますが、中国の方と秋田の人では性格は違いますか。

勝田氏 秋田は県民性ですが、あまり話をしなくても過ごせる。話をすることが嫌いではないため、そういった状況になってもうつ状態にはなりにくい。私は介護施設を運営していますが、高齢者同士が同じテーブルにいても、話をしないで座っている姿をよく見かけます。しかしこちらから話しかけると結構話をします。高齢者の方と話をする際は笑顔で話しかける必要があります。秋田の人は寡黙で無口ですが、ふっとした話で笑ってくれます。ところが海外の人は結構おかしいことをしてもなかなか笑顔は出さない。海外の人が日本に来て話をした際「何で日本人はおかしくないのに笑っていられるのか」と言われ、「あれに騙されるなぁ」と言っていました。

司会 イギリスから見て秋田のいいところはどのようなところですか。

市原氏 ヨーロッパ、イギリスの方々は組織的というか、冷たい雰囲気があります。介護しているところを見ましたが、一律にみんな同じように流れ作業で介護しているという雰囲気があり、介護のレベルは日本の方が高いのかな、これを生かしていければいいのかなと思いました。

司会 秋田県、秋田市の将来を考えてみたいと思います。秋田の人口はちょうど過渡期で、この20年をどう乗り越えていったらいいのか。 もし、先生が県知事、市長だとしたらどのようにしますか。

池田氏 私は知事、市長にはならないと思いますが、将来へ向けていろんなことができると思います。一つはボランティアです。また、ボランティアには様々な方法がありますが、寄付をすることも一つです。自分が寄付をするということは、お金の使い道がはっきりしています。ふるさと納税がありますが、介護納税を作ってもらって介護に少しお金を回すようにする、そういう制度を自分だったら作りたいと思います。

司会 皆さんは秋田市の将来をどう考えますか。

勝田氏 高齢者の中で生産性のあるものができれば、生活の糧の一部になるのではないかと考えていますが、法律の整備等の問題があります。自分が歳を取ったとき、どうやったら社会に貢献できるかということを今から考えていかなければ、おそらく間に合わないのではないかと考えてます。

市原氏 家族、周りの環境を整え、気持ちよく自立していられるようにすることが重要だと思います。

金子氏 これから20年後は高齢者が減っていく状況ですが、いろいろ問題はあります。寝たきりの期間、介護の期間をいかに減らすか、ということだと思います。制度的にはまだはっきりとはしていませんが、地域の中でしっかりと目配りしながら色々なところをフォロー出来るような形になればいいのではないかと思います。

司会 色々な意見がでましたが、はじめに行った質問を再度ここでやってみようと思います。

 1問目 「寝たきりになった場合、誰に面倒をみてもらいたいですか?」
      『家 族』の方は(赤色) 『施 設』の方は(青色) を上げてください。

 2問目 「あなたの人生をとじる時は、自宅がよいですか、
                     それとも病院等がよいですか」
      『自 宅』の方は(赤色) 『病院等』の方は(青色) を上げてください。

 赤紙、青紙をかぞえてみます。すると、 初めの1問目は「青」が7割で、「施設」を希望する方が多かったようです。今も赤3割、青7割で最初の時とほぼ同じということです。今回の2問目はやや「赤」の「自宅」を希望される方が多いようです。これは初回の時は半々でした。今回の基調講演、パネルディスカッションを聞いての結果だと感じましたが、池田先生はどのように感じられましたか。

池田氏 第1問目で施設を選んだ人が多いということは、家族に迷惑をかけてはいけないと思っている方が多いと思います。家族思いの方が多いんですね。また、2問目で自宅を選んだ人が多いですが、実際は病院で亡くなる方の方が多いのです。家族に看取ってもらいたいと思っている人が多いということですね。

司会 皆さん共通の話で、稼げるうちは稼ぐ、ということはやはり良いことと考えますが、それでは皆さんに質問です。元気でいるうちは稼ぎたいという人は「青」を、これ以上は働きたくないという人は「赤」を上げてください。会場の皆さんの回答では「9割の人は働いてもいい」という結果がでました。

勝田氏 自分も働けるのであれば働きたいと思いますが、秋田の現状を考えると、高齢者の方が残っていくと、若い方の働く場所が制限されることが一番の問題です。地域的に誘致等を行って、働く場所があればおそらく65歳以上でも働けるのではないかと。それを叶えてあげることができれば非常に良いことだと考えます。

市原氏 その通りだと思います。やはり高齢者の経験が必要だと思いますので、その経験を伝え、後輩を育てることが大切です。セミナー等高齢者の特技を生かしていく場があればと考えます。

金子氏 私の父親は施設に入っています。認知症なのですがいつもニコニコ笑って「お前は誰だ」と言うんです。施設ではタオルたたみをすすんで手伝っています。自分で出来ることがあれば何かしら役に立つ、そのことが嬉しくていつもニコニコしているのだと思います。

司会 色々な話を聞きましたが、会場から質問を受け付けたいと思いますが、何かございませんか。私の手元には介護保険等の質問をいただいておりますが、この場で即答出来るようなような質問ではありませんので、本日は申し訳ございませんがお答えすることはできません。池田先生最後に総括的なお話をお願いします。

池田氏  確かに働くということは、いいことだと思いますが、定年を延ばしてしまうと確かに若い人たちが働けなくなります。自分で何かをするのであれば何の問題はなく、たとえば先ほど話があった山菜採り等ありますが、色々の職種、人によって能力に差がありますから、働け働けと圧力をかけるのも問題と思いますので、多様性が大事です。これがいいと言うと日本人の悪い癖でみんな同じ事をやります。「自分は嫌だ」と言う人がいてもいいと思います。いろんな人がいて、それぞれの自分の楽しみを追求していってもいいと思います。ここまで生かせてくれた皆さんに感謝をしましょう。そうすれば秋田も明るくなると思います。秋田は自殺が一番多い県ですが、自分が生きることによって他の人も楽しいことが少しはあると考える人が自殺しないでがんばっていられるのかなあと思ってます。

司会 ありがとうございました。まだまだ続けていたいところですが、そろそろお時間となりました。ここでパネルディスカッションを終了させていただきたいと思います。


総合司会  池田先生、パネリストの皆さま、ありがとうございました。このたびの医療を考えるつどいは、暗い介護の話題というよりは、新しい側面から、新しい切り口で新しい介護の姿を考えることができたと思います。これからの皆様の健やかな生活の一助となることを期待して、第36回医療を考えるつどいを閉幕とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。


「第36回医療を考えるつどい」を終えて    秋田市医師会広報委員会 担当理事 田中 秀則
 会員の先生方におかれましては、いつも大変お世話になっております。「第36回医療を考えるつどい」を開催するにあたり、多くの会員の先生方から、アドバイス、支援を受けましたことに、この場をお借りして、お礼を申し上げたいと存じます。ありがとうございました。今回のつどいに関しては、秋田市医師会広報委員会委員の皆の力を結集して、「つどい」を作ってまいりました。今回のために、通常の3回開催の委員会を、5回に増やし、徹底的に議論を尽くしました。また、理事会はじめ、多くの先生方から、ご意見を集め集約し、良いものを作ろうと頑張りました。

私は、「医療を考えるつどい」の担当でありますが、同時に、この秋田市医師会報の担当理事でもあります。私としましては、できるだけ、当日のあの熱気あふれる「医療を考えるつどい」の雰囲気をできるだけ、この紙面に反映させたいと考えておりました。しかし、会報は、決して動画ではありませんし、さまざまな制限があります。それでも、少しでも、皆さまに、お伝えできて、楽しんで頂けたら、大変うれしく思います。
 また、「医療を考えるつどい」の内容は、この紙面のみならず、秋田市医師会のホームページにも掲載される予定となっております。それで、一つの新たな試みとして講演者の勝田先生、市原先生、金子さんの講演のサマリーを、海外へも発信できるようにそれぞれ中国語、英語等で掲載してみました。秋田市には、海外からの留学生も多く、また、他の海外の方にも、読んで頂いて、秋田市の取り組みが、お役になって頂けたら、と考えております。
 
 さて、「医療を考えるつどい」の役割は、秋田市民の皆様と秋田市医師会の医師の皆様のギャップを埋めることと、私は思っております。今回のつどいで、374名の方から参加して頂き、盛会として終えることができました。また、会の終了後のアンケートでも、高い評価を受けたことは、望外の喜びではございますが、その一方で、お叱りの意見を頂いたのも事実です。

 「医療を考えるつどい」において、市医師会広報委員の一挙手一投足が、秋田市民の皆様にイメージを与えていると、肝に銘じ、がんばっていきたいと思っております。今後とも、会員の皆様より、ご指導ご鞭撻を頂きましたら、幸いと存じます。

参加者アンケート 感想・意見・テーマなどの回答結果

ご自由に感想、ご意見をお聞かせ下さい。また、今後取り上げてほしいテーマがありましたら、お書き下さい。


(1) 元気をいただきました。一日一生今日を楽しみたいです。ありがとうございました。(70歳以上・男性)

(2) 75歳ですが、これから楽しんで過ごすことが出来そうです。(70歳以上・男性)

(3) 池田先生の講演は良い参考になりました。今後も医療と直接関係ないことも取り入れて欲しい。(70歳以上・男性)

(4) 池田先生の話が早口で、少し聞き取りにくかった。(70歳以上・男性)

(5) 講演者の話し方が早く、しかもマイクの使い方がよくない。話の内容がわからないところが多くあった。高齢者が多いわけであり、聴力や聞き取る能力が落ちているわけであるから配慮して欲しかった。話し手の基本的配慮であろう。内容がしばしば聞き取れなくなると聞く気持ちが無くなってくるものであることを講演者は知るべきであろう。高齢者の参加が予想される場合は、事前に話し手の共通理解を図ってもらえるとありがたい。(70歳以上・男性)

(6) すごく良かった。今日から元気にとしょる10箇条をやってみる「クサレタマグラ」で行きます。(70歳以上・女性)

(7) 開始前に配布された資料に目を通し、参加者選択質問を読みました。私自身の義父母の介護経験を思い出し、暗いいやな思い出がよみがえり、さてこの質問にはどちらに挙手したらよいかと考えたら暗い気持ちになりました。しかし、池田先生の講演を拝聴し、「なるようになる、今日一日が楽しければ…」というお話で一皮むけた気がしました。私にとっては世間の「終活」「終活」という言葉はプレッシャーです。(70歳以上・女性)

(8) 楽しいお話ありがとうございました。とっても勉強になりました。(70歳以上・女性)

(9) 参考になりましたが、在宅介護で外出できない・疲れる・寝不足等具体的なこともお聞きしたかった。(70歳以上・女性)

(10) 一人暮らしの高齢者が多くなった地域で安心して暮らせるよう、年齢に関係なく活動方法を考えて欲しい。(70歳以上・女性)

(11) 設に伺うと入所者への呼び出し方、話し方が、いかにも幼児か痴呆の人に話すような言葉遣いが多く聞かれるので、尊厳を傷つけないようであってほしい。(70歳以上・女性)

(12) 何か気が楽になりました。(70歳以上・女性)

(13) パネルデスカッションの司会が上手でした。青・赤の意思確認がとても良かった。(60歳以上・男性)

(14) 今後も続けていただきたい。(60歳以上・男性)

(15) ネガティブで少しがっかり。行政はもっと考えるべき(箱物はいらない)。若い人が働ける企業を増加する対策が不可欠である。(60歳以上・男性)

(16) 春から秋は外での軽運動が出来ますが、冬場の運動が少なく、外に出る機会をどう作るか。年取っても稼げる老人の仕事の集まりを‥・(60歳代・男性)

(17) 基調講演は音声が割れて少し聞き取りにくかったのが残念。医師が地域でばらつきがあって何とかならないものでしょうか。秋田市に集まりすぎているのではないでしょうか。(60歳代・女性)

(18) 今日はどうもありがとうございました。これからの人生を楽しくしていきたいと思います。(60歳代・女性)

(19) 働きながら秋田市の65歳以上の介護ボランティアをしています。利用人数に対して職員不足を感じます。経費が高くて私の年金では入れる場所が見つかりません。(60歳代・女性)

(20) 今回36回目で初参加でしたが、35回分惜しかったと思います。池田先生のお話を期待しての参加でしたが、期待以上の時間でした。今日一日楽しい充実した一日というキーワードでしたが、それにつきる時間でした。ありがとうございました(60歳代・女性)

(21) 介護員の待遇改善を望みます。(60歳代・女性)

(22) 平日に開催願います。(60歳代・女性)

(23) 池田先生の講演は最高におもしろかったです。(60歳代・女性)

(24) 今後取り上げて欲しいテーマ「笑いボランティア」(60歳代・女性)

(25) 池田先生楽しかった。ほんまでっかTV見ます。(60歳代・女性)

(26) 各特養等、理念と現実の相異、ケアマネージャーの資質の悪さ、低さの問題、介護スタッフが老人の生活習慣への無知(老人と生活したことの無い人がほとんど)から来る不適切な介護、一つの施設内において事務方、介護方、看護方の力関係、老人食に合わない調理(パターン化された者の利用)。仕事を持ちやむをえず親を(親の居住地より)見知らぬ土地へ連れて施設利用(デイサービス・ショートステイ・グループホーム・特養)11年の介護から得ることも多い半面、先にあげた問題点との戦いの連続。「いやなら出て行け、待っている人も多い」と平気で言える施設長。(施設利用以前、10年間親のところへ月3回車・フェリーで通い続けた)「秋田から世界へ発信、秋田モデル」このようなかざりことばがあるあいだ秋田の介護は足踏みです。現状の問題をひとつひとつクリアし、研究し、質の向上を目指してその結果のことばと深く心にとめていただきたい。「香港、台湾での視察」日本人的感覚、日本人的視点に立ってのまとめです。現地での生活状況の中からの判断はわかりません。◎施設に入所して大きな困難は、医師との関わりです。かかりつけ医から嘱託医への変更への不安、嘱託医師のありきたりの診断、むやみな投薬、何よりも本人の経緯の無知、介護保険と医療保険とのかかわりからのことを解決してください。かかりつけ医にかかれるように!◎今後、介護を取り上げるとき、65歳以上の親を持つ若者を対象にして家族制度、家族のあり方、夫婦の親のことを取り上げて欲しい。特養での3度の食事は朝昼晩味噌汁、ご飯、副菜、野菜少なく味が濃い。老人に対して、便秘→投薬→薬に頼ることになる。パン食・麺類・スープ各種希望してもだめ。秋田の高血圧に結びつく食事への不満→薬に頼らない、家族で工夫、このような戦いです。※三人のパネラーは視野を広く深く見てください。歴史・文化の違いを心しないで秋田と比較は出来ません。(60歳代・女性)

(27) 介護員の待遇・経済的な負担・老後の最低年金保障と雇用が生き甲斐につながると思う(50歳代・男性)

(28) とても重いテーマですが、避けて通れないことですので、将来を考えながら生活していきたいと思います。大変参考になりました。(50歳代・男性)

(29) 楽しい講演でした。笑いは長寿につながるもの。今後も楽しい機会を仕掛けてください。(50歳代・男性)

(30) どの方も楽しくなめらかな語り口で、聞きやすく、楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。(50歳代・女性)

(31) 施設でなくなりたい方が7割でしたが、家族に生き様、死ぬということはどういうことかを自宅で見せ、感謝の気持ちをお互いが持てるようになればいいなと思います。死ぬことをタブー視することで今の子どもたちが死ぬことはどういうことか知らずに殺人を犯していることにもつながっていると思う。(50歳代・女性)

(32) 地域で皆で介護する体制、子どもから高齢者までのボランティア制度、学生の介護施設での単位制度等一家庭一家庭医制度、モデル県として視察、研修受け入れ、人口減を他県・国外からの人たちでビジネスと結びつけ、経済を活性化。(50歳代・女性)

(33) 誰かが何とかしてくれる→みんなで何とかしましょう。いずれ、日本と世界が直面するであろうことを、今、秋田で起こっていると言うことは、モデルになる。日本のために。世界のために。(50歳代・女性)

(34) 明るい人生を生きる希望がわいてきたのでとてもよかった。今後は心を明るくする講演を望みます。(50歳代・女性)

(35) 池田先生の話は、笑い・たとえ話でユーモアがあり、聞いて本当に考えさせられる場面もありました。今日は本当にありがとうございました。今後も出来たら出席したいと思います。(50歳代・女性)

(36) たいへん痛快でした。正論も良いですが、パラドックス的な話もとても良いと思います。(50歳代・女性)

(37) 介護納税賛成です。ボランティア金賛成です。町や市で助成しているような温泉施設をリハビリ体操場等に、集会所に活用できないかと思う。高齢者の楽しめる場所、交通手段がほしい。(50歳代・女性)

(38) 基調講演講師の話題が豊富でいきいきとしている。先生の生きる姿勢感動!(50歳代・女性)

(39) 池田先生から元気いただきました。ありがとうございました。(50歳代・女性)

(40) 池田先生の講演がおもしろすぎて、パネルディスカッションがトーンダウン気味、構成を考えるべき。(40歳代・男性)

(41) 秋田の現状報告をありがとうございます。(40歳代・女性)

(42) 池田先生のお話は、とってもおもしろくて、あっという間に時間が過ぎました。勝田先生、市原先生のお話は勉強になりました。海外まで行かれてすごいと思いました。金子さんのお話は、短い時間で秋田の現状がとてもよくわかりました。特に年配の方は、とても興味深く聞かれていたように思います。(40歳代・女性)

(43) 高齢者の方の出席率が高く、また最後まで聞かれている人が多く、関心が高いことに驚きました。若い世代がもっと関心を持つ必要があるのだなぁと思った。世界一の高齢化…超えるまでの数年ではあると思いますが、実際の想像ができない…何が出来ないのか…。まずは親を元気にするように(他人はどうにもできないので)看ていきたいと思った。自分の親は自分でみる!!をもどしたい。(40歳代・女性)

(44) 高齢の方に、横文字・専門的な言葉で話しても伝わらないと思った。(30歳代・男性)

(45) 今後取り上げて欲しいテーマ:「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」(30歳代・男性)

(46) 内容はわかりやすかったが、介護業の人の話もあってよいのではと思いました。 (30歳代・女性)

(47) 池田先生のお話をとても楽しく聞くことが出来、いろいろ学ばせていただきありがとうございました。介護の仕事をしています。この講演を聴いてあらためて、自分の仕事に誇りを持って一人一人に支援していこうと思いました。介護は避けて通れない道。地域皆で支えられる福祉、街作りが出来ればと思います。少子高齢化が加速し、将来を担う子どもたちは、これから負担が多くなると思いますが、老若男女いきいきと暮らせるようになればと思っています。(30歳代・女性)

(48) 池田先生のお話とても楽しかったです!!ありがとうございました。(30歳代・女性)

(49) 今後取り上げて欲しいテーマ:「前立腺肥大症」(29歳以下・男性)

(50) 様々な先生の意見が聞けて考えが深まった。今後は終末期における自身の意志決定について(リビングウィルなど)の話を聞いてみたい。(29歳以下・女性)

(51) 一見自分には関係ないように思われる「介護」について知って、決して他人事ではないと感じました。世界でも類を見ない超高齢化が進む秋田で介護はとても重要な「社会制度」であり、「産業」なのだと思いました。(29歳以下・女性)

(52) 池田先生の話が大変おもしろかったです。介護を支えていく者として、いろいろ考えさせられるお話しが多くありました。参考にします。(29歳以下・女性)